2012年8月5日日曜日

2012/08/04 おおかみこどもの雨と雪 感想


先日鑑賞して参りました、おおかみこどもの雨と雪。そのレビューです。
あたりさわりなーく書くのが苦手なので、
多少不快かもしれませんが、どうぞお付き合いを


テーマは3つ

-子育ては大変なんです、人でもおおかみでもね
-母は強し、でももう大丈夫
-そしてエンディングで泣け



-子育ては大変なんです、人でもおおかみでもね 

子育てが大変だというのは周知の事実ですが(つか子育てしたことない人間が語るってどうよ)、
そこにおおかみこどもという要素が入るとどうなるでしょう。


序盤で雪が生まれ雨が生まれ、そして彼が亡くなったところから、本格的に子育てがスタートします。
父さんがいないというのは、子育てからみれば戦力(?)半減ですから、
花にかかる負担はそれだけでも想像を絶します。


だだをこねて部屋をところ狭しとぐるぐる走り回る、
家にあるものを噛みまくってボロボロにしてしまう、
 夜中に遠吠えして近所を困らせる(おおかみですねぇ)、

などなど、おおかみがゆえの独特な描写がよく描かれます。


しかしどうてしょう、だだをこねる、家のものをひっかき回す、夜泣き(夜鳴きですけどw)する、
っていうのは、子育てではごく当たり前なことではないでしょうか。


そうです、おおかみの子育てでも我々と変わらないんです。
どのお子さんでも、必ず一苦労する場面があると思います。
描写は変わっていますが、世のお母さんならだれでも経験していることなのです。
ただアニメだからといって、子育てそのものにはうそはつかない。
この作品に対する監督の姿勢が垣間見えます。
お子さんにはピンとこないかもしれませんが、
二十歳過ぎた人が見れば、だれでもその子育ての様子に引き込まれるのではないでしょうか。



-母は強し、でももう大丈夫

強い!絶対に強い!!(黄金バット
もう界王拳使っても勝てる気がしないですw


細田監督作品では、女性の強さ、が一貫してよく描かれます。
時をかける少女まことしかりサマーウォーズのなつきとばあちゃんしかり
この映画も、お母さんである花の強さが全面に出てくる映画です。



まず開始序盤獣姦って…いやそこじゃない。
実際のところ稼ぎが足りるのかどうか怪しいところはたくさんあるんですが、
そんな中でも、ひとりで二人分の子育てをこなし、
田舎に引っ越してからは自給自足、屋根に登って雨漏りを直す女性ってなかなかいないですよ?w


とまああげるとキリがないくらいパワフルでくじけない花です。
母親として精一杯何かをしてあげようと努力する姿を見て、前向きに考えることの大切さを学びました。


ですがそれも物語の終わりには必要なくなります。
「母親として子供になにをしてあげられるのか」、
という一点で花は頑張り続けるのですが、
雨との別れのシーンで直接では、
「あなたにまだ何もしてあげられていない!!」
と、去っていく雨に言います。
でももう大丈夫だったのです。
現実の世界でも10歳で人生を決めてしまう子もいるかもしれませんが、
あまりにも早い決断でした。お母さんとしてはすごく心配になるでしょう。

ちょっとプロットの話になるのですが、
この上映時間で20歳になるまでの話を描くのは、ちょっとむずかしいでしょうね。
人生として描きたい場面がいろいろありすぎて。
ここでおおかみという設定が生きてきます。
おおかみの年齢に照らし合わせると、10歳ならすでに独り立ちしていい年齢みたいです。
だから、10歳の子供でも立派に巣立っていくシーンを描けたのかな、とおもいます。

人一倍手間のかかるこどもたちでしたが、雪も親の手を一旦離れて中学校の寮に入り、
雨も先生の森の主としての意志を継ぐため決意し森に入って行きました。
ちょっとさびしいのですが、たった13年という短いタイムスケールの中で、
人生の独り立ちまで描ききってしまいます。
スピード感は感じさせない雰囲気なのに、あっというまに13年経ってしまう、そんなお話でした。



-そしてエンディングで泣け

はい、泣いてくださいw
理由は歌詞を聞けばわかります。作詞は細田守監督です。
ふたりが巣立っていっていくときの、花の心情がとてもよく歌い上げられています。
ここで帰っちゃっている人たちが結構いたのですが、エンディングで泣ける映画なんてそうそう無いので、
見逃しちゃった人はぜひもう一回見てください。



はい、ということで駄文でした。
あとは下記に気になったことだけ書きます。

家族会議が少なかった。あえて描かなかったのか、家族間の問題を家族で解決するような描写が少なかった。特に雨のあたりは、もうちょっと膝を付き合わせて話して欲しかった。
空がとても綺麗なアニメです。持論ですが、空が綺麗なアニメに悪いアニメはないです。とても広い空がよく描かれますので、注目してください。
テンポの強弱がうまいアニメです。序盤はとても台詞が少なく、主人公が全然喋りませんwほとんどBGMのみです。ですが子育てが本格的に始まり、田舎に引っ越してから物語が急に回り始めます。近所付き合い、学校づきあいなど、都会で身を隠すしかできなかった花の世界が広がっていく様子が描かれています。
・思春期の女の子に「獣臭い('A`)」って言っちゃいけません。でも草平くんは超イケメンです。
・韮崎のおばさん最高です、片岡富枝さんはウーピー・ゴールドバーグが有名ですかね。くじらさんとちょっと被るんですけど、がんばってききわけられるようになりたいです。


ってなかんじです。
見た人向け?見てない人向け?こういう文章は読みづらいですね。
書き上げてから気づきました。
今度はもっと対象を絞って書きたいです。

かしこ


追記
今回のキャラクターデザインも貞本義行さんですが、
登場人物が何かを決意する顔を描かせたら、右に出るものはいないと思っています。
エヴァ・ヱヴァの碇シンジサマーウォーズの健二
そしておおかみこどもの雨と雪の花です。
見てからちょっと時間が経ってしまったので記憶が曖昧ですが、
早朝の公園で雨と雪を走らせているところで、田舎に引っ越す決意、
つまり、このおおかみこどもたちをちゃんと育てる決意をするシーンで、
この決意する横顔が出てきます。

エヴァは第19話男の戦いのゼルエル戦、加持さんに自分がなにをしたいのかもう一度尋ねられた時、
ヱヴァは破終盤のゼルエル戦、マリに閉じこもっていてもたのしいこと無いよと諭された時、
もう一度初号機に乗ろうと思ったその決意した時の横顔。
サマーウォーズは栄ばあちゃんが亡くなったその朝、
なつきが大泣きした直後、健二がラブマシーンと戦う決意をした時の横顔。

全部同じ構図なのですが、その描写するタイミングが絶妙で、
何度見ても飽きません!!
気になる方は全部見比べていただけるとわかると思います。

もちろん他の映画の中で、登場人物が決意するシーンはいくらでも出てくると思います。
しかしこれほどはっきり明確に描かれている作品も、そうそうないのだと思うのです。
ただの偶然ですか?いやそうは思えませんね。
明らかに製作者側の意図が働いた上での演出だと、私は解釈いたします。

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